コバンザメはなぜ食べられない?くっつく理由など背中の吸盤が特徴なコバンザメを調べてみた
UnsplashのKarl Callwoodが撮影した写真
コバンザメって聞くと、皆さんはどんなイメージを持ちますか?
ざっくりしたイメージは、他の魚にくっついてる生き物?ですかね。
比喩などに使われたりもするコバンザメですが、
生態についてはよくわかっていないところがあるので、しっかり調べてみました。
コバンザメとは?
他の生き物などにくっついて生活している魚です。
ウミガメや大きい魚、時には船にまでくっつくこともあるそうです。
コバン”ザメ”と、名前に「サメ」がついていますが、魚です。
サメではないんですね。
分類はスズキ目コバンザメ科。
スズキの仲間で硬骨魚類に該当します。
何と言っても最大の特徴は、背中の吸盤。
この吸盤で、何かにピタッとくっついて生活しています。
コバンザメの吸盤
A Striped Remora (Echeneis naucrates) in the Red Sea Stock 写真 | Adobe Stock
コバンザメの頭部にある吸盤は、こばんのような見た目をしています。
この横線のようなひだ(隔壁)は、普段は後ろに倒れています。
くっつく時は、それを起こすことで、真空に近い状態を作りくっつくことができます。
仕組みとしては、普通の吸盤と同じ仕組みです。
前から押される動き(泳いでいる時の水流など)には強く、外す時は、前に動くことで簡単に外れます。
ちなみに小さい子供の時は、吸盤がなく、大人になるにつれて段々と形ができてくるそうです。
大人になるにつれてコバンザメになっていく…。
人間で考えると、なんか切ない。
コバンザメがくっつく理由
何かにくっついているイメージが強いコバンザメ。
大きい魚にくっついて泳ぐことを「併泳(へいえい)」と言います。
コバンザメがくっつく理由は、食事をもらうためなどいくつかあります。
食事をもらう
大型生物が食事をすると、食べている最中におこぼれが出てきます。
そのおこぼれをもらって生きてるんですね。
またおこぼれだけでなく、寄生虫や、排泄物を食べていることもあります。
そんなわけで、労せず余り物を頂戴して生きています。
代わりに泳いでもらう
くっついているため、自分で泳ぐよりもエネルギーが少なくてすみます。
いわゆる楽をしている状態です。
襲われる危険が少なくなる
大型生物にくっついているので、他の生物に襲われる危険が少なくなります。
ただ、くっつかれてる大型生物に普通に食べられてしまうこともあるそうです。
コバンザメ、なかなか頭のいい魚です。
このようなコバンザメのみにメリットのある生き方を、「片利共生(へんりきょうせい)」と言います。
片利共生(へんりきょうせい)とは?
UnsplashのHarry Jaschhofが撮影した写真
片利共生とは、片方のみにメリットのある生活スタイルのことです。
コバンザメを例にしてみましょう。
くっつかれてる大型生物には何のメリットもありません。
ですが、くっついてるコバンザメ側は、大型生物が食べた餌のおこぼれなどがもらえるのでメリットがあります。
くっつかれてる側としては、たまったものではありませんね。
くっつかれてる側の大型生物に、食べられてしまったりしないのでしょうか。
コバンザメは、なぜ食べられない?
Whale Sharks Underwater coming to you in west papua indonesia Stock 写真 | Adobe Stock
普通に間違って食べられることもあるみたいです。
ジンベエザメなど大型生物側としては、一応寄生虫などをコバンザメが食べてくれるメリットなどもありますが、
コバンザメがいなくてもそんなには困らないそうです。
そんなわけで調べてみても、食べられない明確な理由はわかりませんでした。
コバンザメが食べられないのは大型生物の優しさ?
もしくは、いざというときの非常食?
くっついている場所が腹の下など、食べられにくいポジション取りが上手なのかもしれません。
コバンザメは刺身で食べられる?
コバンザメの吸盤 - No: 24598914|写真素材なら「写真AC」無料(フリー)ダウンロードOK
独特な見た目をしているコバンザメ。
え〜美味しいの?そもそも食べられる?と思われるかもしれませんが、
刺身は、かなり美味しいらしいです。
ただ、なかなか市場に出回らないそうで、残念です。
食べられる機会があれば、ぜひ食べたい魚ですね。
以上、こばん型の模様が特徴のコバンザメについてでした。
調べてみて、改めて個性のある独特な魚だと思いました。
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